小惑星観測入門ー1

はじめに

皆さんは小惑星をというものをご存じだろうか。

小惑星とはその名の通り小さい惑星のことである。

近年(2020年10月現在)では、小惑星探査機「はやぶさ」による小惑星イトカワの観測が

記憶に新しいと思う。

小惑星は個人の天体望遠鏡で観測が可能であり、アマチュア天文家や学生におすすめの観測ターゲットの一つである。また、(主観かもしれないが)科学的意義も十分にあり、我々個人が学術的世界に貢献できる分野でもある。そのため、高校の課題研究等にもおすすめである。

以下では小惑星観測入門ということで、観測の意義から方法、実際の観測に対しての注意点、データ処理等まで述べていきたいと思う(やるきがあれば)。つまり高校の課題研究学習や大学の卒業論文が書けるくらいまでの内容を目指したいと思う。難易度としてはアマチュア天文家中級くらいだと思う。機材とやる気があればできるためぜひ挑戦してほしいと思う。

(アマチュア天文家による)小惑星観測の目的と意義

小惑星観測といってもなにをするのだろうか?

プロ天文学者からしてみれば観測と一口にいっても、なにをどう調べるのか、これは多くの選択肢があるだろう。しかし、知識や機材の観点からして我々の選択肢は少ない。そこで、ここではライトカーブの測定に話を絞る。(分光観測や掩蔽、新しい小惑星の発見の選択肢もあるが入門の範囲を超えているため扱わない。)

小惑星は時間経過で明るさが変化する。この明るさの変化をグラフにしたものをライトカーブという。ではなぜ明るさが変化するのだろうか?小惑星は自ら発光はしていない、太陽からの光を反射して光っている。一方で、小惑星の形は球形からはずれていることが多い。そのうえで自転している。そのため、自転をすることで太陽からの光を反射する面積が変わる。よって明るさが変化するというわけだ。

ライトカーブは自転と同じ周期をもつ。そのためライトカーブがわかれば小惑星の自転周期がわかる。つまり、地球から明るさの変化を調べるだけで、何万キロも離れた場所にある星の自転周期がわかるのだ。これは面白い。これを読んだ人の中には、「そんなこともうだれかが全部調べてるんじゃないの?」とか思うかもしれない。確かにすでに調べられている小惑星も多い。しかし、小惑星は現在確認されている小惑星の数は30万を超える。もちろんこのうちのほとんどが詳しく測定などされていない(というか数が多すぎてできるわけがない)。そのため、もしかしたら自分が世界で一番早く、ある小惑星の周期を知ったひとになれるかもしれないのだ。

また既に観測されている小惑星でも周期を測定する意義がある。小惑星は球形からはずれている形をもつため見る角度によっても観測結果が変わる。つまりアメリカから観測したデータと日本から観測したデータは違う形を持つ。また小惑星は公転もしているため観測時期によっても違うデータが得られる。このようなデータをたくさん集めれば小惑星の形も求めることができるはずである。つまり、地球から遠く離れた小惑星の形まで求めることができる。

このような周期や形といった情報は「はやぶさ」等の探査機を送るときにも役立つ。つまり地球外探査にも役立つというわけだ。

話が長くなってしまった、ほかにも伝えたいことがあるが疲れたので筆をおく。


惑星観測の面白さを伝えられたであろうか?やるきがあればまたつづく

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